そして、2004年に中村がボランチを主戦場とするようになってから、「オニさんとコンビを組む回数がめっちゃ増えた。あの頃は昼飯を食べるときもずっとオニさんとサッカーの話してたもん」と、振り返る日々だった。「そりゃ最後の対談に呼ぶでしょ」と冊子に記された文を読んだとき、脳内であの笑顔とともに再生されるような実感のある言葉だった。
2005年にJ1に昇格しても、中村はコンスタントに試合に出続ける。そして、鬼木監督が現役を引退した2006年に中村は飛躍する。リーグ戦で34試合10得点を記録し、Jリーグベストイレブンと日本代表に選ばれた。しかも、代表ではゴールも決めている。
2006年から5年間にわたってベストイレブンに選出され、2007年から2010年まではA代表の出場試合数が2ケタを超え続けた。2016年には、JリーグMVPにも選ばれた。しかし、チームとしては、タイトルを掴むことができないシーズンが続いた。
そんな流れに終止符を打ったのが、コーチだった鬼木達の監督就任だった。かつてのボランチコンビが、監督・選手という立場でコンビを組むことになったのだ。2017年のことである。