サッカーの神様が時に残酷なことをすることは、サッカーファンなら誰でも知っている。まさか、この試合、バンディエラの最後のホームゲームに敗北を贈るつもりなのか……。そう思ったとき、運命が変わった。
53分、MF守田英正がペナルティエリアの外から放った右足シュートが、浦和のゴールネットを揺らしたのだ。80試合目の出場にして初めて奪ったJリーグでのゴールは、等々力を復活させる値千金の得点だった。
これで平常運転に戻った川崎は、59分に続けざまに逆転弾を決める。右サイドからのクロスを、三笘薫が頭で押し込んだのだ。逆転弾にして今季13得点目となるゴールは、渡邉千真(当時・横浜M、現・G大阪)、武藤嘉紀(当時・FC東京、現・エイバル)に並ぶルーキー最多得点記録に並ぶものだった。