※その1はこちら
■12月16日/J1第33節 川崎―浦和(等々力)
サッカーの神様がいるとしたら、どんな結末を用意するのか。それが気になって仕方なかった。
ブルーのユニフォームを着て、チームのために18年間戦った中村憲剛。そのホーム最終戦がどのようなものになるのか。
この日、その名前はスターティングメンバーの名簿の中にあった。Jリーグの公式記録は当然、選手名が等しく書かれる。にもかかわらず、「14」の隣の名前だけは、ひと際、目立って見えた。等々力競技場に集まったサポーター・観客の1万1387人の期待に応えるべく、舞台は整えられた。
ウォーミングアップのためにピッチに登場した中村は、まずサポーター席をじっと見つめていた。特別な試合を見に来てくれた誰かを探しているようにも見えたし、18年間声援を送ったサポーターから何かを感じているようにも見えた。いずれにせよ、川崎のバンディエラが長い時間を過ごした場所なのだから、いろいろな思いが錯綜したはずだ。