この日の等々力競技場は痛いほどに寒かった。実際、シャッターを押すだけで指先に痛みを感じるほどで、震える体を必死に抑えながらの撮影だった。その寒さも影響したのか、ホイッスルが鳴ってからの川崎は、スムーズな攻撃を見せることができなかった。
パスミスが散見されたのは映像からでも分かるが、ピッチレベルで見れば、選手がパスを出す瞬間に受け手となる選手が違う方向を向いていたということが何度もあった。同じリズムで戦えていなかったのだ。そのうえ、先制点まで献上してしまう。10分、浦和レッズのDF岩武克弥をGKチョン・ソンリョンが倒したとして、PKを与えてしまったのだ。
浦和の試合内容が良かったわけではないが、川崎がうまくいかない中で得点まで許したことで、勝利への流れを失ったかに思われた。前半終了間際にかけて、ブルーのユニフォームは何度も攻め入り、セットプレーのチャンスも獲得したが、どれも実らない。