中村憲剛、等々力最終戦！(2)「試合後のピッチで主審から渡された物」

　ボールを受け取った中村は、宝物を持つように抱えてみせた。ピッチを一周してサポーターに挨拶するときには、まるでサッカー小僧のようにそのボールを蹴って遊んだ。１８年間の現役生活を間もなく終える選手の顔ではなく、純粋にサッカーを楽しむ少年のような笑顔が、そこにはあった。

　等々力競技場での試合は終わったが、川崎には天皇杯が残っていれば、リーグ戦も１試合残っている。次節は、アウェイでの柏戦。現役最後のリーグ戦となる。日本サッカー史に残る選手が、どんなラストを迎えるのか。幸福な物語は、まだ終わらない。