■ワ-ルドカップでは「白」で2試合を戦った

 近年は、その「青」もモデルチェンジとともに振れ幅が大きく、「スカイブルー」から「限りなく黒に近い濃紺」まであるが、とにかく「ブルー」で押し通している。Jリーグ・クラブで、同じ色でもたとえば鹿島アントラーズ浦和レッズ名古屋グランパスの「赤」が微妙に違い、しっかりとその伝統が保たれているように、本来ならひとつの「青」で通してほしいと、個人的な意見ではあるが、そう思う。

 日本代表はこれまで6回のワールドカップで21試合をこなしているが、19試合は「青」での試合だった。「白」で戦ったのはわずか2試合。2002年大会初戦のベルギー戦(埼玉スタジアム)と2010年大会2戦目のオランダ戦(ダーバン)である。ベルギー戦は鈴木隆行と稲本潤一のゴールで2-2の引き分けにもちこみ、ワールドカップで初の勝ち点を得た試合だった。オランダ戦は、よく守ったもののウェスリー・スナイダーの1発で負けた。2002年、2010年は、どちらもグループを突破してラウンド16まで進んだ大会だったが、2018年ロシア大会は全試合を「青」(それも全身青)で通してのベスト16だった。

 さて、その日本代表がいちどだけ第2ユニホームとして「黄色」を採用したことが記憶のどこかにあるファンも少なくないだろう。2014年、ブラジルで行われるワールドカップに向けてつくられたのが、「全身蛍光イエロー」のという派手な第2ユニホームだった。ワールドカップ年の2月になって発表された。ブラジルの観客を味方につけようという狙いだったが、3試合で終わってしまったワールドカップでは着る機会がなく、わずかに大会直前のアメリカ合宿中にタンパで行われたコスタリカ戦1試合で使われただけだった。

 第2ユニホームはFIFAへの登録カラーには無関係で、対戦相手と区別しやすいものを用意すればよい。「黄色」で有名なブラジルは、伝統的に「青」の第2ユニホームを使ってきているが、ブラジルが「赤」を第2ユニホームにしてもなんら問題はない(ブラジル代表の「赤」が出たら何としても手に入れたいと思う人も多いのではないか……)。

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