■個性的なバルセロナとマンチェスター・ユナイテッド
クラブのサッカーでは、ここ10年、第2ユニホームが「勝手さ」を増している。その先鞭をつけたのは、FCバルセロナだったのではないか。2009年、バルセロナが発表した「第2ユニホーム」は「サーモンピンク」というか、サッカーでは見たことのない鮮やかな色だった。私は海外で人気クラブのユニホームを買ってくるということをここ20年間ほどやっていないが、このユニホームを見たときには、あまりの魅力に勝てず、1万円近く出して買ってしまった。
以後、欧州のトップクラブは毎年斬新なデザインや色の第2ユニホームを発表し、マーケットを広げることに熱中する。第1ユニホームには伝統があり、おいそれと色を変えることはできないし、デザインにも制約がある。しかし第2なら、どんなデザインでも、どんな色でもかまわない。タウンウェアとしても着られるようなものを、次々と出すのだ。
マンチェスター・ユナイテッドが「青」を着ても(有名な1968年の欧州チャンピオンズカップ決勝は全身「青」だった)、黄色やピンクでも誰も驚かない。それどころか、自クラブの他のサポーターとの差別化をはかるためか、喜んで買うファンが少なくないのだ。第2ユニホームには、「ちょっとワル」の雰囲気がある。それも魅力なのかもしれない。
当然、その傾向はJリーグにも及ぶ。「黒」「黄金色」「グレー」など、手を替え品を替え毎年のように新しい第2ユニホームが発表される。