■徳島は前半の楽勝ムードから一転…

 翌29日のデーゲームで、徳島は16位のツエーゲン金沢とアウェイで、福岡は13位の大宮アルディージャとホームで対戦した。どちらも14時03分のキックオフである。

 徳島は7分、23分、33分と前半に得点を重ねた。42分に1点を返されたものの、3連敗中の金沢に力の差を見せつけて前半を終える。ところが、前回対戦で1対1の引分けに持ち込まれた相手に、この日も苦しめられる。59分と63分に立て続けに失点を喫し、3対3の同点に持ち込まれてしまうのだ。

 徳島が金沢の追い上げを受けているそのとき、福岡は大宮を突き離していた。スコアレスで迎えた58分、フアンマ・デルガドがヘディングシュートを突き刺したのだ。J2のアシストランキングで首位タイのエミル・サロモンソンのクロスから、古巣対戦となったスペイン人FWが先制弾を突き刺したのだった。

 リーグ最少失点を誇る福岡は、ここまで13度の“ウノゼロ”を成立させている。長谷部茂利監督はこの日も、得意の逃げ切りパターンへ持ち込む。4-4-2のシステムを、80分過ぎから5-4-1へ変更したのだ。失点のリスクを抑えながら時計の針を進め、ホームスタジアムに勝利の歓喜を呼び込んだのだった。

 徳島対金沢戦は、80分に動きがあった。フアンマと同じように古巣対戦となった徳島の垣田裕暉が、自身2点目となるゴールを流し込み、スコアを4対3としたのである。右サイドからのクロスをワンタッチで押し込む技巧的な一撃が、チームに勝点3をもたらしたのだった。

 リカルド・ロドリゲス監督に対するJ1浦和レッズからのオファーが明るみになり、チームの周辺はざわついている。それでも、前節に続いて勝点3を取り切った徳島は、2位福岡との勝点差「4」、3位長崎との勝点差「7」を維持した。

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