■急遽変わった交代プラン

 今の川崎から3得点奪うのは至難の業だ。しかも、仙台は堅守速攻をベースにしようとしているチームだ。無作為な“殴り合い”の耐性はまだできていない。

 そのため、33分、39分と失点を重ねてしまう。どちらも左サイドからの速いクロスが失点に結びついてしまった。1失点目も左サイドからのクロスだから、4失点中3失点を右から崩されている。この状況と大きな点差を考えて、控え選手全員をアップさせていた。そして40分頃、手倉森監督はMF松下佳貴の投入を決断した。

 アップしていた松下がベンチに呼ばれ、指示を受けようとする。ところが、急遽、松下の交代は見送られた。そしてわずか2分後、「ヨシ(松下)と真瀬(拓海)は後半アタマから行くから、それで準備して!」と声をかけられた。松下投入の取り下げの理由は分からないが、42分の時点で指揮官の頭には後半からの逆襲のシナリオが描けたのだろう。

 背番号「8」と「25」は、チームの危機を救うために動かす足を速めたのである。

※その3に続く

 

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