■選手がもらした「困惑の声」
1失点であれば、10年前の逆転を狙うことはできた。しかし、25分に2失点目を喫する。その2失点目は、とても不運な形だった。よりによって関口が負傷し、22分過ぎにピッチ外に出てしまう。代わりに入るMF石原崇兆はアップを命じられて、急いで体を温めているさなか、会場アナウンスで交代が告げられる。
「え、まだここにいるんだけど!」
石原が思わず口に出してしまったのも無理はない。控え選手がアップ中に交代をアナウンスで告げられるのは、異例の珍事だ。 石原は“アップ開始”を途中でやめると、ユニフォームに着替えようとした。この瞬間、仙台は失点する。当然のことながら、ピッチでは仙台の選手が1人少なかった。