■生涯通算131得点のスーパーGKセニ(ブラジル)
Jリーグの「GK得点者」はそれぞれ1点ずつで、いわば「一生一度の夢」である。だが世界にはとんでもない記録をもつGKがいる。ブラジルのロジェリオ・セニ。19歳から42歳まで、24年間のプロ生活で、なんと131得点を記録した。
ブラジル代表16試合の出場記録をもつセニだが、プロとしての活動の大半は所属クラブのサンパウロFCのためのものだった。その間、彼はプロ5年目の1997年から2015年に引退するまでチームのPKキッカーであり、同時にFKのスペシャリストだった。毎シーズン、コンスタントに得点を記録し、2005年にはブラジルのトップリーグ38試合で10得点を記録した。彼はサンパウロFCのリベルタドーレス杯南米クラブ選手権での最多得点記録(18点)をもち、同一クラブにおける直接FKによる最多ゴール記録(60点)ももっている。
右足から繰り出されるキックは強烈で正確そのもの。2005年の「FIFAクラブワールドカップ」では、東京の国立競技場で行われた準決勝でサウジアラビアのアルイテハドを相手にPKを決めている。ゴールの左上隅への強烈なキックは、どっしりとした安定感を感じさせた。
このセニに抜かれるまでGKとして「世界最多得点」を誇っていたのがパラグアイの「怪人」ホセ・ルイス・チラベルトである。彼は左利きだったが、PKと直接FKのスペシャリストであるという点ではセニの「先輩」であり、プロとして生涯のゴール数は62とセニの半数以下ながら、74試合プレーしたパラグアイ代表でも8得点という点で特筆される。ちなみに、代表チームでの1試合あたりの得点数(約0.11)は、大久保嘉人(日本代表60試合で6得点、平均0.1)より多い。