■下位チームに共通する悲劇
9位のガンバ大阪の一森純は、セレッソ大阪のアカデミーから関西学院大学を経てプロになり、JFL、J3、J2を経由して2020年にG大阪に移籍。しかし、絶対的守護神の東口順昭の牙城を崩せず、横浜F・マリノスへの期限付きを経て、ようやく昨年レギュラーとなった。現代のGKとしては「小さな」選手だが、闘志あふれるプレーはG大阪のスタイルによく合っていた。
10位以下のチームでGKを固定できたファジアーノ岡山(スベンド・ブローダーセン)と東京ヴェルディ(マテウス)を除くと、下位チームでは多くが固定したGKで戦えなかった苦しさを露呈した。11位FC東京はレギュラーだった野澤大志ブランドンをシーズン半ばの欧州への移籍で失い、6月にサウジアラビアのアルシャバブから獲得した金承奎(キム・スンギュ)のコンディションが整うまで苦労を余儀なくされた。
湘南ベルマーレは昨年半ばに川崎から移籍した上福元直人に「守護神」の座を託したが、6月にアキレス腱断裂という大ケガで離脱し、同時期にDF鈴木淳之介や畑大雅といった主力の流出もあって降格を余儀なくされた。
昨年まで7シーズンにわたってゴールを守り続けてきたミッチェル・ランゲラックを失った名古屋グランパスは、ベルギーから日本代表GKシュミット・ダニエルを獲得してその穴埋めをしたはずだった。しかし開幕前に右膝を負傷して計算が外れ、19歳のピサロアレクサンドレ幸冬堀尾が代役に立ったものの、FIFA U-20ワールドカップ出場でチームを離れたのが痛かった。












