【2025年J2「開幕前診断」有力チーム編】充実の戦力に実力派ボランチ&右サイドアタッカー加入のモンテディオ山形と得点王が移籍のジェフユナイテッド千葉に注目【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
横浜F・マリノスから完全移籍で加入したMF吉尾海夏(右)  撮影/原壮史

■昨季4位の山形はピンポイント補強で底上げ

 J2リーグのJ1昇格候補として、V・ファーレン長崎ベガルタ仙台ジュビロ磐田北海道コンサドーレ札幌の4チームに注目してきた。この4チーム以外にも、J1昇格を射程圏内とするチームはある。ここではその他の16チームから、リーグの主役と成りうるチームを取り上げる。

 昨シーズン4位のモンテディオ山形は、J1昇格争いに確実に加わってくるだろう。昨シーズン途中にMF土居聖真、FWディサロ・燦・シルヴァーノを獲得し、一気にチーム成績を向上させたチームに、さらなる戦力アップを促すタレントがピンポイントで加わっているのだ。

 ひとり目はMF中村亮太朗だ。昨シーズンは清水エスパルスでダブルボランチの一角を担い、36試合に出場した。ボールハントと展開力を兼ね備えた彼の加入で、中盤セントラルの選手層はさらに熱くなった。J1昇格の体験者としても頼もしい。

 ふたり目は吉尾海夏だ。右サイドを主戦場とするレフティーで、同じポジションのMFイサカ・ゼインとは異なる個性で攻撃を活性化できる。渡邉晋監督とは19年のベガルタ仙台で共闘しており、J2では21年のFC町田ゼルビアで10得点10アシストの実績を残したこともある。22年以降は所属元の横浜F・マリノスで数字を残せなかったが、ポテンシャルを解放すればチームの中心にもなれるだろう。

 後藤雅明がV・ファーレン長崎へ移籍したGKには、新たな守護神も確保している。オーストラリアで年齢別代表の経験を持つトーマス・ヒュワード=ベルを迎えたのだ。

 オーストラリアはアジア有数のGKファクトリーで、190センチのサイズを誇るヒュワード=ベルはJ2でトップレベルのクオリティを備える。チーム内の連携を確立すれば、後藤に負けないプレーを見せていくはずだ。

 前線ではジョージア代表経験を持つFWベカ・ミケルタゼがスカッド入りしている。オーストラリアや韓国のクラブに在籍してきた27歳は、185センチのサイズで両足をスムーズに使う。前線からのプレスに意欲的で、FKのキッカーを務めることができる。決定力を示しつつ、攻撃の幅を拡げることも期待される。

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