2強の「6シーズンのタイトル寡占」が生んだヴィッセル神戸のショートカウンター【横浜FM×神戸の「直接対決」から見えてきたJ1タイトルの行方】(1)の画像
頂上決戦で、勝利したのは神戸だった 撮影/原壮史(Sony α1使用)

 今シーズンのJ1リーグも、残り5試合となった。先週末には首位ヴィッセル神戸と2位横浜F・マリノスによる頂上決戦があった。この一戦から見えてきたタイトルの行方について、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■2チームに絞られた優勝争い

 9月最後の週末(および10月1日)に行われた第29節で、J1リーグの優勝争いに大きな動きがあった。

 勝点55で首位に立っていたヴィッセル神戸と、その神戸を1ポイント差で追っていた横浜F・マリノスとの「直接対決」に神戸が勝利して、その差を4ポイントに広げたのだ。

 さらに、第28節終了時点で3位に付けていた浦和レッズが残留争いに身を置く横浜FCに先制を許し、アレクサンダー・ショルツのPKで追いついたものの、浦和は引き分けに終わった。また、同じく4位の名古屋グランパスサンフレッチェ広島相手に逆転負けを喫し、5位の鹿島アントラーズアビスパ福岡とスコアレスドロー。6位のセレッソ大阪に至っては、最下位の湘南ベルマーレに後半2ゴールを許して完敗した。

 つまり、神戸が勝点3を積み重ねた以外、上位陣は総崩れに終わったのである。

 この結果、神戸と横浜FMとの勝点差は4に広がり、横浜FMと3位浦和との差も4ポイントとなった。

 この結果、優勝争いはほぼ神戸と横浜FMの両チームに絞られたし、また、神戸が優位なポジションに立ったことも間違いない。「勝点4差」ということは、もしも神戸が1試合を落としても、それだけでは首位が入れ替わらないということを意味している。

  1. 1
  2. 2
  3. 3