■「自分たちの強み」をドイツにぶつけろ!
ドイツ戦で求められるものは、はっきりしている。
思い切ったトライである。
11月にはW杯アジア2次予選がスタートするが、すべて格下相手のゲームだ。11月16日はミャンマーかマカオ、21日はシリアと対戦する。シリア戦はアウェイゲームだが、日本でのホームゲームを経て臨めるため、選手のコンディションをある程度揃えることができる。日本代表としてのゲーム感覚を呼び戻したうえで、アウェイの地へ乗り込むこともできるだろう。
直近でターゲットになるのは、来年1月開幕のアジアカップだ。それまでは、システムも選手もテストを重ねていい。
そこで、日本時間9月9日深夜に行なわれるドイツ戦である。
カタールW杯で対戦した際は、4-2-3-1でスタートした。1トップのFW前田大然をスイッチ役に前線から規制をかけようとしたが、ファジーな立ち位置を取るMFトーマス・ミュラーとMFジャマル・ムシアラをつかまえきれず、CBとダブルボランチの間のスペースを使われた。
1点を追いかける後半開始から、森保一監督は3-4-2-1へシステムを変更した。守備がハマったことで攻撃へ出ていけるようになり、選手交代も的中して逆転勝利を収めた。
今回はテストマッチである。相手の良さを消すよりも、自分たちの強みを出すことに力を注ぎたい。
システムは4-3-3を推す。
カタールW杯と同じように、嫌らしい立ち位置を取られることはあるだろう。自陣に押し止められるかもしれない。2点、3点と失点してしまうかもしれない。
それでも、構わない。個人とチームの良さを発揮しやすいシステムで、ドイツ相手にどれだけできるか。危ない場面で数的優位を作れなかったときに、どこまで「個」で対応できるか。
カタールW杯後も停滞感に包まれ、日本戦の結果次第でハンジ・フリック監督の更迭もあり得るドイツのホームゲームで、やりたいサッカーを追求する──そこに、今回の試合の意味がある。