■清水は鈴木、原がレンタルバックで復帰

 6位の清水エスパルスは、MF鈴木唯人、MF原輝綺が欧州のクラブからレンタルバックしてきた。ふたりは22日の栃木SC戦でメンバー入りし、70分過ぎから途中出場している。

 パリ五輪世代の鈴木は、4-2-3-1の2列目を争うことになりそうだ。トップ下の乾貴士、左MFのカルリーニョス・ジュニオは不動と言っていい存在で、右MFの中山克広はスピード豊かな突破力をチームにもたしている。前線とサイドで起用されてきたFWディサロ・燦・シルヴァーノがJ1の湘南ベルマーレへ移籍したものの、清水は2列目とFWの人材が豊富だ。激しい定位置争いが待っているが、チームにとって心強い復帰となるのは間違いない。

 MF登録の原は、4バックの右SB、3バックの右ウイングバックの序列に食い込んでいく。このポジションでは北爪健吾が好調を維持しており、岸本武流も秋葉監督の信頼を得ている。東京五輪世代の原が加わり、選択肢はさらに豊富になった。

 プレーオフ出場を争う7位のV・ファーレン長崎は、MF中村慶太、ブラジル人MFマルコス・ギリェルメを補強した。両選手は22日のモンテディオ山形戦に先発し、中村はボランチで、マルコスは左MFでプレーした。

 中村は16年に長崎でJリーグデビューを飾った。17年は37試合出場8得点の数字を残し、チームのJ1昇格に貢献した。翌18年はJ1で7ゴールを記録し、19年から当時J1の清水で、22年からはJ1の柏レイソルでプレーしてきた。長崎には5シーズンぶりの復帰となる。

 マルコスは27歳のMFで、母国ブラジルのサンパウロやロシアプレミアリーグのヒムキなどでプレーしてきた。22日のモンテディオ山形戦では、4-2-3-1の左MFで起用された。この日は味方選手を生かすプレーが多かったが、スピード豊かな突破力を持ち味とする。1トップのフアンマ・デルガドらとの連携が高まってくれば、攻撃の貴重なカードになりそうだ。

 J2残留争いを演じているチームでは、最下位の大宮アルディージャが3人の即戦力を補強した。右SB飯田貴敬、MF黒川淳史、FWヤクブ・シュヴィルツォクだ。

 飯田は21年のJ2で京都サンガF.C.のJ1昇格に貢献したが、22年以降は出場機会が限られていた。黒川は大宮の育成育ちで、22年はJ1のジュビロ磐田に在籍し、今シーズンから町田の一員となっていた。飯田は23日の水戸ホーリーホック戦で右ウイングバックとして先発し、黒川は後半途中からピッチに立っている。

 クバの愛称で親しまれるシュヴィルツォクは、21年にJ1の名古屋グランパスに在籍し、14試合出場7ゴールと結果を残した。大宮でのデビュー戦となった23日の水戸戦では、70分からの出場でポスト直撃の左足シュートを放つなど、存在感を発揮した。チーム浮上の切り札となりそうだ。

 J2からJ1への個人昇格では、藤枝MYFCのFW渡邉りょうがセレッソ大阪へ引き抜かれた。昇格クラブの藤枝で得点ランキング3位の13ゴールをあげている26歳は、サンフレッチェ広島へ移籍したFW加藤陸次樹に代わる得点源として期待される。

 夏の第2登録期間は、8月18日まで開かれている。各チームはギリギリまで戦力を見極め、目標達成につながる補強へ動いていく。

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