■川崎のチャレンジ

 川崎フロンターレが今季京都サンガF.C.からGK上福元直人を獲得し、第9節から川崎のレジェンドのひとりと言っていいGK鄭成龍(チョン・ソンリョン)に代えてこの33歳のGKを使っているのは、昨年まで指揮6シーズンでJリーグ4回優勝を誇る鬼木達監督の新しいサッカーへのチャレンジの証拠だろう。

 鄭成龍は韓国代表67試合を誇り、川崎では2016年以来200を超すJリーグ・ゲームに出場、圧倒的なシュートストップ能力と空中戦の安定感で川崎の快進撃を支えてきた。昨年からは積極的にビルドアップにも加わるようになったが、やはりこうしたGKを育てるには少年時代からの訓練が必要で、千葉県の市立船橋高校から順天堂大を経て大分トリニータ、町田ゼルビア、東京ヴェルディ徳島ヴォルティス、そして京都とこうしたGKスタイルを貫いてクラブを渡り歩いてきた上福元は今季の川崎のサッカーの重要な要素と言える。

(4)へ続く
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