■首位ターン町田の最大の変化は「守備力」
話題先行だったチームが、確かな実力を見せつけた。
J2リーグは6月17、18日に21節が行なわれた。この日で前半戦を終了したことになり、FC町田ゼルビアが14勝4分3敗の勝点46で首位ターンを果たした。
清水エスパルスとジュビロ磐田がルヴァンカップに出場しているため、両チームとヴァンフォーレ甲府、ブラウブリッツ秋田の4チームは21節を消化していない。それでも、町田の順位に影響はない。
昨シーズンのJ2で15位に終わった町田は、青森山田高校を全国屈指の強豪へ押し上げた黒田剛監督を新たな指揮官に指名した。高校サッカー界の名将が、Jリーグで結果を残せるのか。そうした興味と関心が先行していたなかで、町田は開幕から7戦負けなしの好スタートを切る。
黒田監督がもたらした最大の変化は、ディフェンスにあった。昨シーズン50失点を記録した守備陣が、開幕から7試合のうち6試合でクリーンシートを達成するのである。
J2の他クラブからCBを補強しつつ、守備の原理原則を徹底していくことで、前半戦の21試合をわずか12失点で乗り切った。前半戦を首位でターンしたチームでは、過去5シーズンで最小失点である。
クリーンシートはすでに「10」を数える。昨シーズンは42試合で「11」だったから、守備の変化は明らかだ。
キックオフから15分までの失点は「0」で、試合の入りに神経を研ぎ澄ませていることが分かる。後半の立ち上がりから60分までの15分間も、失点を与えていない。ここでも、後半の入りを大切にしていることが読み取れる。相手を勢いづかせることはないのだ。