■4本のCKは相変わらず脅威にはならず
1-1のドローに終わった3月24日のサッカー日本代表対ウルグアイ代表戦(国立競技場)。
カタールW杯から、もっと言えばその前から持ち越されている日本の課題に、セットプレーがある。CKやFKから、相手ゴールを脅かすことができていないのだ。
この日は4本のCKを獲得した。3分の右CKはGKにパンチングされ、12分の左CKはGKに難なくキャッチされた。34分の右CKは、浅野拓磨のヘディングシュートへつながった。ただ、ニアサイドの角度のない位置からの一撃は、大きく枠を逸れている。
後半に入った62分の左CKは、GKにキャッチされた。これも難なく懐に収められた。
ウルグアイ戦へ向けた準備は、前日練習を含めて4日間だった。いつもよりは時間があるものの、カタールW杯から3か月以上の空白期間が横たわる。とりわけ、右から菅原由勢、瀬古歩夢、板倉滉、伊藤洋輝による最終ラインは、GKシュミット・ダニエルも含めて新たなユニットだ。確認するべきことは多い。セットプレーのパターン構築が後回しになったとしても、仕方のないことだったかもしれない。
そうは言っても、時間がないのはテストマッチの宿命であり、W杯予選だって同じだ。ウルグアイは84分にバー直撃の決定機を生み出しているが、そのきっかけは直接FKだった。
ウルグアイはGKセルヒオ・ロチェト、左SBマティアス・オリベラ、MFマティアス・ベシノ、MFフェデリコ・バルベルデらのカタールW杯の主力を起用しつつ、日本と同じように国際経験の少ない選手や初代表の選手を加えていた。スケジュールは日本よりも厳しい。そのなかでも、FKから決定機を迎えているのだ。
FKやCKの練度を高めることは、この試合については優先順位が低かったのかもしれない。とはいえ、セットプレーが相手の脅威とならないのは、代表活動のたびに指摘されてきたことである。チームとしての向き合いかたが、問われているのではないだろうか。