■徳島はいまだ勝利なしで…

 前節のいわきFC戦を0対1で落とした仙台は、先発を5人入れ替えてきた。3バックの左CBに出場停止明けのキム・テヒョンが戻り、前節左CBを務めたMF内田裕斗が左ワイドに入る。MFエヴェルトンがメンバー外のアンカーには、今シーズン初先発のMF松下佳貴が指名された。インサイドハーフには2試合ぶりの先発となる中島元彦が入り、氣田亮真山田寛人が2トップを組む。氣田は2試合ぶりのスタメンで、山田は初先発だ。

 ここまで4試合で2得点の仙台は、34分に先制点をあげる。DFラインの背後を突く山田の動き出しと、松下のパスがシンクロする。右ニアゾーンを突いた山田がゴール前に折り返すと、飛び込んだMF郷家友太が右足ボレーでプッシュした。郷家は移籍加入後初ゴールだ。

 後半に入った57分に同点に追いつかれるが、73分に群馬を突き放す。途中出場のMF遠藤康の狙いすました見事な右CKを、キム・テヒョンがヘディングシュートに結びつけたのだった。このまま2対1で押し切り、仙台はシーズン2勝目をゲットした。通算では2勝2分1敗とした。

 試合後のフラッシュインタビューで伊藤彰監督は、「試合の入りでこれまではちょっと受けに立つことが多かった」とし、「今日は前後半の入りはそれなりに良かった」と振り返った。また、今シーズン初の複数得点を記録したことについては、「セットプレーで取れると複数得点に近いことが多くなる。これを次につなげていきたい」と評価した。

 順位表のボトムハーフを見ると、静岡ダービーが痛み分けに終わった清水エスパルスが14位、ジュビロ磐田が15位に位置する。両チームともになかなかギアが上がってこない。

 嬉しい初勝利をあげたのはV・ファーレン長崎だ。川崎フロンターレから期限付き移籍中のMF宮城天の2ゴールで、ロアッソ熊本を2対0で下している。また、開幕から4連敗のツエーゲン金沢も、レノファ山口FCを5対2で退け、ようやく1勝目をあげた。長崎は16位、金沢は21位だ。

 苦しみが続いているチームもある。徳島ヴォルティスだ。J3から昇格してきたいわきFCに、アウェイで0対1の敗戦を喫した。これで2分3敗となり、最下位に沈んでいる。前レアル・ソシエダ分析担当コーチ、スペイン人新監督・ベニャート・ラバイン氏が指揮するチームは、早くも正念場を迎えている。

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