■主審の難しさ
宮はプレーに復帰したが、永石は脳振とうの疑いが濃厚と診断され、担架に乗って退場、村上が交代出場した(脳振とうによる交代なので、交代回数にも人数にも含まれず、福岡はこの後5人の選手を交代させた)。
DFだけでなくGKまで倒れたままの状態なのに、なぜ名古屋はプレーを止めなかったのか。それだけでなく、得点までしてしまったのか。福岡の選手たちは割り切れないものをもっていたはずだ。それがルキアンとクルークスの行動に出てしまったのに違いない。「相手もアンフェアな得点をしたではないか。こっちもして何が悪い―」
落ち着いて考えれば、永石と宮が激突して倒れたままの状態になってから、重廣がボールに追いつくまでに数秒の時間があった。この間に中村主審が試合を止めることができていれば(名古屋側は激怒したに違いないが)、ルキアンとクルークスによる「超アンフェアゴール」など起こらなかっただろう。だがこの状況でプレーを止められるレフェリーが、Jリーグに何人いるだろうか。