【日本代表考察】「状況次第では板倉滉を守備の中心に序列が変わり得る」「伊藤洋輝の財産は遠藤航とのコンビ」【6月シリーズ「ラストオーディション」の激論】(3)の画像
板倉はチーム内の序列を変えるか 撮影:中地拓也

 日本代表は6月、ブラジル代表などとの4連戦に挑む。開幕まで半年を切ったワールドカップに向けて、重要な準備期間となる。中3日で試合が続き、「模擬ワールドカップ」とも言える6月シリーズを、いかに本番での躍進につなげるべきか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くす。

■プラスに転換したい大迫不在

――今回不在の大迫勇也が本大会でもいない可能性もあるわけで、そうなると上田綺世の今回の出来は日本代表の命運を左右するかもしれませんね。

大住「これまで森保一監督がやってきたスタイルでは、1トップでボールを受けて軸になる選手がほしいという考えがあると思う。だから、本当に上田を使える目途がつくというか、大迫より良いのではというプレーを見せてくれたら、今回の6月シリーズはそれだけで価値があると思うけどね」

後藤「上田がもっと早く育ってくれれば良かったんだけど、彼は急に伸びるタイプじゃないんだよね」

――上田、大迫が不在となると、かなりきついでしょうか。

大住「そうなると古橋亨梧を使って、前線からかき混ぜるようなサッカーで点を取るしかないよね。むしろそういうプレーの方が、相手にとっては嫌かもしれないよ」

後藤「ヨーロッパのチームにとっては、古橋や前田大然が猛スピードで突っ込んできたら嫌かもしれない。足技に自信を持っているドイツ代表GKのマヌエル・ノイアーの足元から、前田がボールをかっさらったりとかね」

大住「この4試合で見通しが出てくればいいんじゃないかな。大迫が中途半端なコンディションで来るよりも、良いチャンスと考えればいいんじゃない」

後藤「大迫がいると、監督もどうしても彼に頼ってしまって、他の選手に出番が与えられないかもしれないからね。こうして、森保監督が意図して変えようと思わなくても、チームはこうして自然と変わっていくものなんだよね。最終ラインだって吉田麻也冨安健洋が元気だったら変えようがないかもしれないけど、どうもそういう状態じゃないようだから、いろいろな選手に出番が与えられるわけだよ」

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