「第2の候補」日本代表が抱える問題を解決し得る名古屋グランパス・吉田豊【Jリーグにもまだいる「ワールドカップ候補」】(2)の画像
攻守にわたりハイレベルな吉田豊 撮影:原壮史

 サッカー日本代表は、7大会連続となるワールドカップ出場権を獲得した。これからは本大会に向けてメンバーの選考が進むことになるが、これは単なる「絞り込み」を意味するわけではない。これからオーディションに参加する選手がいても、おかしくはないのだ。新たな候補となり得るタレントたちを、サッカージャーナリスト・大住良之が推薦する。

■ロンドン五輪予選に出場

 第2の候補は名古屋グランパスの左サイドバック、吉田豊である。守備の固さ、攻撃の鋭さ、安定感でJリーグを代表する選手だ。

 1990年2月17日、静岡県生まれ。2008年、静岡学園高校を卒業後、当時J2のヴァンフォーレ甲府でプロとなり、2012年に清水エスパルスに移籍、2015年からサガン鳥栖、そして2019年以後は名古屋でプレーし、どのクラブでもレギュラーとしてプレー、J1通算出場が300試合を超す32歳のベテランである。静岡学園高時代の2007年にFIFA U-17ワールドカップ(韓国)で3試合にフル出場。2012年のロンドン・オリンピックでは予選で活躍したが、最終メンバーに残ることはできなかった。以後代表歴はない。

 だがJリーグでの安定した活躍は目を引く。試合による出来不出来がほとんどなく、対人守備は超一級品。守備の固さだけでなく、攻撃参加の的確さ、相手の弱点をつくパスの鋭さでJリーグ屈指の左サイドバックと言われるようになり、2016年と2020年にはJリーグの優秀選手にも選ばれている。

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