■日本代表の「左サイドバック問題」
日本代表では、昨年来、「左サイドバック問題」が懸念材料のひとつだった。長く欧州のクラブでプレーし、昨年ＦＣ東京に戻った長友佑都（３５歳）のプレーに以前のような鋭さが見られず、オリンピックで活躍した中山雄太（ズヴォレ）を起用すべきとの声が高まった。中山はサイドバックとしては大柄（１８１センチ）でヘディングも強く、守備は固く、攻撃面でも左足のクロスは定評がある。
しかし森保監督は一貫して長友を起用し続け、その信頼に応えるように長友のプレーはこの半年のうちに鋭さを取り戻した。そして予選の半ばからは、長友を先発させて６０分をめどに中山を投入するという形をつくった。試合の終盤、どのチームも高い負荷がかかるサイドのアタッカーに交代選手を送り込み、スピードを維持しようとする。当然、交代しないことが基本のサイドバックは苦戦を余儀なくされる。しかし５人交代制の下では相手サイドアタッカーの交代に対応してサイドバックを入れ替えるというプランが成り立つ。
