■メンバー大幅入れ替えで機能性を失い…
最終予選の締めくくりは、物足りなさを残した。
3月29日に行なわれたベトナム戦は、1対1のドローに終わった。7勝1分2敗の勝点22で全10試合を終えた日本は、7勝2分1敗で勝点22のサウジアラビアに次ぐ2位で最終予選を終えた。
すでに予選突破を決めていることもあり、森保一監督はスタメンを大幅に入れ替えた。オーストラリア戦に続いて先発するのはCB吉田麻也、右SB山根視来のふたりだけだった。左SB中山雄太は最終予選出場8試合目で、初めてのスタメンだった。吉田と谷口彰悟のCBコンビも初めてで、柴崎岳は昨年11月のオマーン戦以来、原口元気は同9月のオマーン戦以来の先発である。旗手怜央は代表デビュー戦だった。
オーストラリア戦で衝撃の2ゴールを叩き出した三笘薫も、スタートからピッチに立つのはこれが初めてだ。CFに入った上田綺世は、2019年12月の韓国戦以来の先発だった。
レギュラーメンバーの多い構成に1、2人の控え選手が先発で加わっても、チームの機能性が著しく損なわれることはない。すでに出来上がっているオートマティズムが、久しぶりにピッチに立つ選手の助けになる。
しかし、今回はそうもいかない。前半がチグハグとしたものになるのは想定内だった。伊東純也、南野拓実、守田英正、田中碧が途中出場した後半に盛り返すのも、ベトナムの疲労度を考慮すれば想定内だった。
誤算があったとすれば、20分の失点だろう。相手の左CKからマンツーマンを振りほどかれ、フリーでヘディングシュートを許している。オーストラリア戦までの9試合でわずか3失点だった守備が、スキを見せてしまったのは悔やまれる。