■MF、FWはJ2からひとりずつの選出に
MFからFWの顔触れを見ると、様々なシステムが想定できる。たとえば松木玖生(FC東京)なら、ボランチやトップ下、4-3-3のインサイドハーフなどを任せることができる。複数ポジションに対応できる選手が多く、いくつもの組合せが考えられるが、ひとまず4-2-3-1として予想スタメンを組んでいる。
9人が選ばれたMFで、J2のクラブに所属している唯一の選手が東京ヴェルディの山本理仁だ。彼もポリバレントな資質を持ち、今シーズンはアンカーを担当している。4-1-2-3の「1」に入り、攻撃のスイッチを入れながら決定的な場面にも関わる。左足から繰り出すシュートも強烈だ。
今回の招集メンバーからダブルボランチの候補者を抜き出すと、川崎颯太(京都)、藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、田中聡(湘南ベルマーレ)、それに山本になるだろうか。川崎と藤田はボールを刈り取る力に優れ、レフティーの田中は前への推進力がある。山本もボール奪取に優れ、ボールを持ち出すことができる。そのうえでライバルとの違いを明確にするならば、展開力でアピールするべきだろう。ピッチを広く使うこともできる力を、国際舞台でも示したい。
鹿島アントラーズの荒木遼太郎、清水の鈴木唯人らが招集されたFWで、J2のクラブからただひとり選出されたのが藤尾翔太(徳島ヴォルティス)だ。
この20歳はJ2で実績を積んでいる。昨年6月にセレッソ大阪から水戸ホーリーホックへ育成型期限付き移籍すると、22試合に出場して8ゴールをマークした。今シーズンは徳島ヴォルティスへ育成型期限付き移籍し、2節のファジアーノ岡山戦で加入後初ゴールを記録した。
昨年10月のAFCアジアカップ予選の香港戦では、先発して2ゴールを記録した。3月のキャンプ中に行なわれた練習試合でも、2得点をあげている。
180センチのサイズとしなやかな動きを持ち味とするストライカーが、国際舞台でクオリティを発揮できるのか。J2のレベルを確認する意味でも、彼がどんなプレーを見せるのかは興味深い。