【J2序盤の「明暗」】中村俊輔「開幕4連勝」横浜FCの決勝点をアシスト!絶妙CKに飛び込んだ小川航基が発した“絶対信頼”の言葉「この試合で一番危険な位置へ入っていこうと」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
中村俊輔(横浜FC)   写真:アフロスポーツ

■横浜FCが4連勝で首位快走

 何かを決めつけて語るには、まだ早い。

 リーグ戦は4試合を終えただけだ。

 それでも、今シーズンのJ2について言えることがある。

 J1昇格争いもJ2残留争いも、かつてない激戦になる、ということだ。

 3月12、13日開催の第4節を終えて、横浜FCが4連勝を飾っている。水戸ホーリーホックとのホームゲームに挑んだ今節は、前半を0対2で折り返す苦しい展開となる。しかし、50分に小川航基、61分に伊藤翔がゴールを決め、 2対2の同点とする。

 4連勝につながる決勝弾は82分に生まれた。

 交代出場したばかりの中村俊輔が、左CKのキッカーへ向かう。マンツーマンマークを振り切った小川が、中村のキックに合わせてゾーンの隙間へ入り込む。会心のヘディンシュートをたたき込んだ。

「俊さんが交代で入ってきたときに、絶対にいいボールが上がってくると思っていたので、この試合で一番危険な位置へ入っていこうと。そこへドンピシャでボールが入ってきました。さすがです」

 中村は「まさか最初からセットプレーだとは思わないし」と笑みをこぼし、「航基が良く触ってくれた」と、桐光学園高校の後輩を称えた。開幕戦以来の出場となった背番号25は、シーズン初アシストを記録した。

 大宮アルディージャとの開幕戦は2対0から追いつかれ、後半アディショナルタイムのPKで3対2の勝利をつかんだ。第2節のV・ファーレン長崎戦は、前半の得点を守り切って1対0で勝利した。大分トリニータとのアウェイゲームに挑んだ第3節は、2対1で逆転勝ちした。クリーンシートがひとつしかないのはともかく、1点差ゲームをすべて制しているのは地力の証明と言っていいだろう。

 次節以降はファジアーノ岡山ヴァンフォーレ甲府モンテディオ山形と難敵との対戦が続く。J2でのクラブ連勝記録は「7」で、19年に達成したこの記録に並ぶことができれば、横浜FCはJ1昇格争いをはっきりとリードする存在になるだろう。

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