■川崎を止めるのに必要な上位陣の奮闘

 来シーズンも優勝争いのライバルとなるはずの上位陣相手に一つも負けなかったという事実の意味はかなり大きいはずだ。

 上位相手の試合を振り返ってみると、2位の横浜FMに対しては1勝1分(2月26日の開幕節で2対0と完勝して最終節は1対1の引き分け)。以下、3位のヴィッセル神戸相手にも1勝1分(1対1、3対1)、4位の鹿島アントラーズ相手と5位の名古屋グランパス相手にはともに2連勝(対鹿島が2対1、2対1。対名古屋が4対0、3対2)。そして6位の浦和レッズ相手には1勝1分(5対0、1対1)という成績だった。

 リーグ戦前半の川崎はまさに手の付けられないような強さだった。東京オリンピックと変則日程となったACLの影響で名古屋は、この川崎が最も強かった時期に2連戦を戦ったのが不運だったろう。「最強の盾」とうたわれた守備が完璧に粉砕された0対4の敗戦は衝撃的なものだった。

 その後、夏に三笘薫田中碧が移籍し、DFに負傷者が相次いだ時期があったが、それでも川崎はしぶとく守りながら上位陣相手にはしっかりと結果を残し続けたのだ。

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