■川崎の戦力ダウンではなく他チームが上昇すべき
シーズンを通じて川崎のスペクタキュラーなサッカーを存分に楽しませてもらったが、しかし、リーグ戦を盛り上げるためには他の上位陣の奮起が期待される。「川崎の力が衰えたから」ではなく、他のクラブが川崎にキャッチアップすることでリーグ戦の優勝争いが活況を呈することになれば、日本のサッカーのレベルは一段上がるし、また、第４２節の横浜ＦＭ対川崎のようなエキサイティングな試合が毎週のように繰り広げられるようになれば、観客動員数も近い将来にコロナ禍前の水準を取り戻すことが可能になるだろう。
Ｊ１リーグ最終節で、横浜ＦＭは自らが川崎打倒の急先鋒であることを証明して見せた。攻撃面でもう一工夫あれば、前半の攻撃を仕掛けている時間帯に得点することができたはずだ。そうなれば、川崎相手の勝利も見えてくる。
横浜ＦＭの場合、今シーズンの得点王に輝いた前田に海外移籍の噂があり、またブラジル人選手たちの入れ替えもあるだろうから、今の段階では何とも言えないが、来シーズンもアンジェ・ポステコグルー監督以来の攻撃スタイルを貫きながら「打倒川崎」を目指してほしい。
