■8月21日/J1第25節 ヴィッセル神戸1-0鹿島アントラーズ(ノエスタ)
試合開始前から、ヴィッセル神戸はサッカーファンをざわつかせていた。鹿島アントラーズとのホームゲームのメンバーに、合流したばかりの新戦力FW武藤嘉紀の名前が記されていたのだ。
この夏の神戸の補強は、ルーカス・ポドルスキやアンドレス・イニエスタといった世界的名手ではないものの、それに負けないインパクトを残していた。大迫勇也、武藤嘉紀と、日本代表でもプレーしてきた選手たちを、ヨーロッパから呼び寄せたのだ。さらには、バルセロナで育てられたボージャン・クルキッチも獲得している。
その新たな攻撃陣の獲得がまぶしく輝くほど、現状に落ちる影は濃さを増すようだった。すでにヨーロッパへと羽ばたいて1カ月以上経つものの、いまだにJ1得点ランキングで首位に立つ古橋亨梧の移籍の影響は大きい。さらには藤本憲明は清水エスパルスへと期限付き移籍し、アユブ・マシカとは契約を解除。今季出場の多くなかった2人ではあるが、大迫らの加入を前に顔ぶれが変わっていたFW陣には、物足りなさが感じられていた。