【東京オリンピックサッカー】最後の激論(4)「上田綺世と三笘薫が先発でやってくれれば…」「日本人選手もメキシコリーグに行ってもいいのでは」の画像
堂安律と久保建英 写真:中地拓也

 U-24日本代表の東京オリンピックは8月6日で終わった。3位決定戦のメキシコ戦に1-3と敗れたものの、全6試合を経験したことは、日本サッカーにとってはかり知れない価値がある。久保建英堂安律を攻撃面の中心に据え、吉田麻也冨安健洋の両CBに加えて板倉滉、そしてボランチの遠藤航田中碧といった才能が結集し、史上最強とも言われた五輪代表の戦いを、取材歴50年のサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生はどう見たか――。

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上田綺世はトラップが上手いですよね。

大住「上手い。ボールの扱いがうまいし、コントロールも良い。今大会は林大地が本当に頑張ったし、積極的なターンや、突破を見せてくれたけど。フォワードの格で言うと、上田のほうがはるかに上」

後藤「今大会の上田は故障もあったし、よく戻ってきてくれたよね、という感じじゃないですか。大会前の親善試合のスペイン戦なんて全然ダメだったじゃない」

大住「病人みたいだったからね」

―上田と三笘薫が62分に入って、試合がガラッと変わりましたよね?

後藤「だから本当は、あの2人が先発であれくらいやってくれていれば、もっといい結果にね。ディフェンスのほうは完璧にできて計算通りのチームになったけど、攻撃面はそういうこともあって、うまくいかなかったよね。

グループリーグのフランス戦で4点も取ったから攻撃力があるように思っちゃったけど、南アフリカにはどうにか1点を取って、メキシコには幸運な2点が入って。そして、決勝トーナメントに入ったら点が取れなくなって」

大住「点を取るということは、そこからさかのぼって、いくつも要素があるんだけど。今大会は、その要素を作れた試合と、作れなかった試合があった。たとえば南アフリカ戦の前半なんて、その要素がまったく作れなかった。相手が引いているところへ、縦パスを入れられなかった。ニュージーランド戦もそう。スペイン戦は、それをやろうとしていたけど防がれた」

後藤「うん。スペイン相手にできないのはしょうがない」

大住「そして今回のメキシコ戦は、前半の45分間くらいはやりきれなかった。けど後半になって、やっと、そういうことができるリズムが作られた。けど、なんかこう、ちょっと重かったよね」

―遠藤航の動きにキレがありませんでしたね?

大住「そうね。遠藤はヘディングで全部負けてしまっていたのが気になった。それに、ボールを取ったと思った瞬間に取り返されるようなシーンも結構あったね」

後藤「みんな1歩遅れているからPKになってしまったし、相手のマークも外されちゃったし」

大住「……ただ、あれはPKだったかな?」

後藤「そう。だからこれで、グループリーグのメキシコ戦で日本が貰ったPKとおあいこ」

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