■「ニアを破られると、まったく手が出ない」
―スウェーデンは力がありましたね?
大住「しっかりしていた。だけど、日本は1点を取った時みたいなコンビネーションのような攻撃がなかなか出なかったね。あのときは清水梨紗に入って、清水から時間を置かずに、長谷川唯が縦に走ったような、あんなプレーがね」
―良いクロスでしたね?
大住「良いクロスだったし、田中のシュートが上手かった」
後藤「その前も、ディフェンダーからポンポンポンっとボールが繋がって速かったしね」
大住「うん。その直後もあったよね。左で、長谷川から田中へ、田中がボールを持って行って、清水がシュートを打ったやつ。あの時は押せ押せだった。そういう状況の中で、決定力が足りなかった」
後藤「これは今さら言ってもしょうがないけどさ、あそこで1点が入っていたら、試合展開も違っていた」
大住「そう。前半の終盤は惜しいチャンスもたくさんあったし」
後藤「それで後半の頭も良い入りもしたな、という中で、スウェーデンに2点目が入っちゃった」
大住「だって、あの前まではずっと日本が攻めていたからね。それで、いきなり来られて、裏を取られて。ただ、あのシュートは、ちょっと止めてほしかったかな」
―キーパーの山下杏也加ですか?
大住「そう。山下自身も同じことは言っていたから、こればっかりは仕方ない」
―ああいう場面ではニアをしめるのがセオリーですか?
大住「ニアは破られちゃいけない。ファーはカバーしてくれる可能性もあるし、切れる可能性も多いから。ファーにヤマをかけた時に、ニアを破られると、まったく手が出ないからね。それに味方のダメージとして大きい」
後藤「たしか、ファー側は清水がいてシュートコースを切ったんじゃなかったっけかな。でもスウェーデン戦のなでしこは、今の力関係から考えると、良い試合をしたと言える」