■「旗手はどこでもやれる」「本当にすごいよね」
―橋岡大樹がいるところですか?
大住「だって、スペインのチャンスはすべて右サイドだったよ。それで、前田が必死になってカバーしてさ。左は、旗手が平気な顔をして守っていたけど。橋岡は次から次へ裏を取られていたし」
後藤「そうそう。それに相手も分かっているから、次から次へと攻めてくるもん」
大住「森保一監督も、もっと厳しく行け、って言ってはいるんだけど。それで行くと、待ってました、ってかわされてバタバタになっていた。最後は滑って、すってんころりんをやっちゃったし。
メンタル面での準備ができていなかったのかなって。はりきりすぎて、アピールしようと空回りしていたのかも。
あそこは、メンバー発表の前のこの激論でも、僕は菅原由勢だって言っていたんだよね。6月の試合を見て、橋岡はないだろうと踏んでいたんだけど。けれど橋岡を選ぶというのは、センターバックもできるからだろうし、ヘディングもあるしね」
後藤「身体能力もあるし、将来性を考えて、やらせたいという気持ちは分かる」
大住「けど、ボールを持った時はすごく雑だしさ。得意の守備でああなったら厳しいよね」
後藤「旗手は左サイドが本職じゃないけどさ。橋岡の場合はね……」
大住「橋岡を入れるなら、中山を入れて、旗手を右にした方がよっぽどよかった気がする」
後藤「すごいな、旗手は今度、右サイドバックか」
大住「彼はどこだってできるよ」
後藤「左サイドハーフ、右サイドハーフ、トップ下……」
大住「ボランチはやっていないよね」
後藤「そうだね。やらせてみたい」
大住「真ん中の線がないね。ボランチとセンターバックと」
―林大地の評価はいかがですか?
大住「林は良いよ」
後藤「ワントップ候補の3人の中では1番。この間のホンジュラス戦も良かったし」
大住「シュートが入らなかったから落ち込んだみたいだけど。動き自体は良かった」
後藤「うん」
大住「久保と堂安とも合うんだよね」
後藤「それに前でボールを収めて、スペインのディフェンダーが来ても、けっこう持ちこたえてパスが出せたじゃない?」
―背負って、溜めますよね?
後藤「今日だと、33分に冨安が後ろからドリブルで持ってきて、それで右に開いた林に当てて。林はディフェンダーが来てるのにしばらく持ちこたえて、酒井が右サイドから上がってくるのを使ってチャンスを作っていた」
大住「あれね。酒井に対して、完全に抜けさせるパスを出したよね」
後藤「そうそう。それで最後は久保がシュートして、コーナーキックになった」
大住「絶対にあれはブロックされるのに、なんで打つのかな?まあ、自分で決めたいというのを思っていたんだろうけどね」