■親友・坂元達裕との切磋琢磨
だが進学した青山学院大ではまた大きな失望を味わった。前橋育英では多くの選手がプロを目標に努力を続けていたが、青学ではそうした選手は少なく、モチベーションの低い練習が繰り返されていたのだ。もうサッカーをやめようと思ったことが何度もあったという。
それを引き止めたのが中学時代から高校までのチームメートで、親友でもある坂元達裕だった。現在はセレッソ大阪に所属し、切れ味鋭いドリブルを武器に2020年にセレッソ大阪で大ブレーク、ことしは日本代表に選ばれ、ワールドカップ予選のタジキスタン戦でデビューも果たした期待の選手だ。
FC東京のU-15では、ともに体が小さいことでユース昇格がかなわず、いっしょに前橋育英に進んでプレーした。坂元は高校を卒業すると小泉が進学した青山学院大と同じ関東大学サッカーリーグ2部の東洋大学に進学、活躍していた。ただ、青学大が小泉が所属した4年間は2部のままだったのに対し、東洋大は坂元が3年のときに関東大学1部に昇格していた。
その坂元が「J2のモンテディオ山形に内定した」という。サッカーはもうやめようと考えていた小泉の心に火がついた。つてを頼って当時J3で快進撃を続けていたFC琉球の練習に参加させてもらった。そして個人としてもチームとしても成長してJ2に上がろうという向上心にあふれたチームの雰囲気に魅せられた。パスをつなぐサッカーのスタイルも自分に適していると思った。