■山形は降格圏から浮上し、大宮は迷宮をさまよい…
琉球を下した山形も、5勝5分5敗の勝点20とし、8位まで浮上してきた。
石丸清隆前監督を解任した9節終了時点の順位は、1勝4分4敗で20位だった。それがどうだろう。監督代行として采配をふるった佐藤尽コーチのもとで2勝1分1敗と立て直すと、ピーター・クラモフスキー監督が着任した前節は愛媛FCを1対0で下し、今節もアウェイで勝点3をつかんだ。
クラモフスキー監督は「しっかりと規律を守りながら、良いパフォーマンスが出せたと思う」と話した。石丸監督指揮下のチームは「攻めているのに得点できない」というジレンマに陥ったが、佐藤コーチを経てクラモフスキー監督へバトンが渡った現在は、ボールを握ることも、最短距離でゴールを目ざすこともできている。
そのなかで、FW山田康太の存在が目を引く。前線で自由自在に動き回り、攻撃のキーマンとなっている。ここ数試合は本来のボランチではなく右サイドハーフで起用されている國分伸太郎も、琉球戦でCKから2アシストを記録している。それぞれの役割が整理され、選手の特徴が生かされている。
一方、浮上のきっかけをつかめないのが大宮アルディージャだ。
4月3日の第6節から、10試合連続で勝利をつかめていない。ギラヴァンツ北九州と対戦した今節は、1対3で完敗した。シュートが3度バーを叩くなど、運やツキに見放された印象もあるが、勝てていないチームの典型的なパターンとも言える。
得点15はリーグ12位タイで、失点20は14位タイだ。どちらも極端に悪くはない。しかし結果は2勝5分8敗の勝点11なのだ。J1昇格候補の大宮は、迷宮をさまよっているかのようだ。