■5月9日/J1第13節 浦和レッズーベガルタ仙台(埼玉スタ)
5月1日のホーム柏レイソル戦で今季初勝利をつかんだベガルタ仙台だったが、今節は浦和レッズに完封負けを喫してしまった。0-2というスコアだけを見ればアウェイチームの完敗だが、内容を見れば悔しすぎる惜敗。順位を19位から上げることはできなかった。
前節の白星で勢いに乗りたい仙台は、試合開始直前に奇襲をかけていた。リーグ戦では3月21日のFC東京戦以来7試合ぶりの先発出場となった蜂須賀孝治が、キャプテンマークを巻いてコイントスに挑んだ。蜂須賀が選んだのは「コート」で、浦和レッズがホームで戦う際の“ルーティン”を破る逆のコートを指定。これに、浦和のキャプテン阿部勇樹が顔をしかめながら味方に移動を促した。伝えられた浦和イレブンも阿部と同様に渋い顔を見せるも、従うしかなかった。
この“先手”が効いたのか、あるいは、前節にコートチェンジをして勝利を得た験を担いだのか、試合開始を告げるホイッスルが響いてからは仙台がボールをテンポ良く動かした。相手のプレスをうまく交わしながら、細かくパスをつないで前進。これに対して浦和は、ブロックを組んで仙台の保持に備えた。逆に、浦和が保持した際には仙台がブロックを組んでビルドアップを阻んだ。赤いユニフォームの選手は、サイドでボールを回すしかない時間が続き、ゲームの流れを握っていたのは明らかに黄金のユニフォームだった。