■勝てる試合を自ら手放す

 前半の45分で仙台は4つの決定機を迎えたが、そのすべてが浦和のパスをカットしたところから始まっている。リカルド・ロドリゲス体制になってからの浦和は、ビルドアップのためにパスを細かくつなぐ。仙台はそのコースやルールを分析して、チャンスにつなげてみせた。

「浦和に対して準備してきたことで、そのとおりできたと思います」

 試合後、手倉森誠監督は前線のプレスについてこう話したが、準備していたことはハマった。しかし、決定力や最後の精度が足りなかった。準備してきたことを生かせず、これだけのチャンスの逃しては、勝てる試合も勝てなくなってしまう。

 仙台は58分に浦和FWキャスパー・ユンカーに先制点を決められて、その後はペースを浦和に渡してしまう。埼玉スタジアムで仙台は、自ら白星を逃してしまったのだ。

 とはいえ、この試合で仙台が見せたプレーは19位のものではなかった。今季は12戦してわずか1勝しかしていないが、昨年1年間かけてじっくりと崩壊したチームは、間違いなく戦うチームに再生している。前節、ホームで518日ぶりに勝利したように、トンネル脱出は目の前まで来ている。


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