■開始わずか6分のビッグチャンス
前半に仙台が迎えたチャンスは4つある。はじめの決定機は開始わずか6分のもので、この試合で仙台が迎えた最大のチャンスでもあった。小泉佳穂が自陣低い位置でパスミスし、ペナルティエリア前の中央で気田亮真がボールを回収。これをペナルティエリア内にいた西村拓真にパスすると、15番は浦和GK鈴木彩艶と1対1の状況に。ホーム柏戦で決勝点を挙げたストライカーは流し込むだけかと思われたが、リーグ戦初先発となる18歳のGKに止められる。このゲームの行方を左右する重要なシーンだった。
頭を抱える西村だったが、それでも12分、仙台がまたしてもチャンスを作る。細かくパスをつなぐと、気田が左ハーフレーンでうまく背後に抜け出してボールを受けると、縦に運んで中にクロスを送る。中には西村と浦和のディフェンダーが2人。クロスに反応したのは西村だけで鈴木もニアに寄っていたことからビッグチャンスになったのだが、クロスは大きく外に流れてしまったのだ。
さらに15分には、加藤千尋がミドルシュートを放つ。西村のボールカットから始まった縦に早い攻撃で、シュートコースこそ鈴木の正面に行ってしまったが、加藤のボールの受け方とカットインが素晴らしく、十分に得点を狙えるチャンスだった。
31分の気田のシュートも相手陣内の高い位置でボールカットしたものを、そのままミドルシュートに持ち込んだものだ。これも鈴木に補球されるが、浦和に危機感を覚えさせる場面だった。