■試合後に鬼木達監督の口から出たのは…

 前半をスコアレスで折り返した川崎フロンターレは、選手1人を入れ替えて後半に挑んだ。今季初先発となったMF小塚和季に代わって、川崎らしさを体現する田中碧が入ったのだ。札幌に対してリズムが掴めない中で、最初に動いた。そして、これが当たった。田中がボールを奪い、さらにボールを保持し、パスを出して、とリズムを作る作業をこなす中で、49分に先制点が生まれた。得点者は三笘薫。右サイドから家長昭博が上げたクロスを、ゴール前に走り込んでいた旗手怜央のワンタッチを経て三笘が押し込んだのだ。苦しい展開を打破する得点に、川崎は喜びを爆発させた。

 その後、札幌が次々と強力外国人を投入して川崎ゴールを強襲。川崎が耐える時間が続いたが、87分に途中出場したFW小林悠が後半アディショナルタイムに追加点を奪ってみせた。直前まで猛攻を見せていた札幌にトドメを刺すゴールは、小林のJ1リーグ300試合出場を自ら祝う2戦連発ゴールだった。

 90分を通して苦しい展開となったが、試合後、鬼木達監督の口から出たのは、「仙台」という単語だった。この試合のわずか3日まで、この等々力で川崎はベガルタ仙台と対戦。“盟友関係”にあるチームと激しい点の取り合いを演じ、結果は2-2。連勝を止めるドローとなったが、押し込まれた終盤に逆転負けもありうる試合だった。その仙台戦が、この札幌戦に生きたという。

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