J2好不調真っ二つのワケ(1)新潟「10戦無敗」を牽引する本間至恩の「超J2級ドリブル」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
本間至恩(新潟)   写真:松岡健三郎/アフロ

■本間が圧巻ドリブルで新潟10戦無敗

 アルビレックス新潟が、開幕からの不敗記録を更新している。

 4月24日のJ2リーグ第10節で、新潟は愛媛FCと対戦した。1位対16位の対戦だが、愛媛は調子を上げている。實好礼忠監督が就任した7節から、2勝1分と勝点を重ねているのだ。

 中2日での3連戦目をアウェイで迎えた新潟は、序盤に試合を動かした。舞行龍ジェームズに代わって右CBに入った早川史哉が、2列目左サイドの本間至恩にサイドチェンジのパスを入れる。左タッチライン際でボールを受けた背番号10は、内側へドリブルしながら右サイドへ展開する。このボールを星雄次が、ゴールラインぎりぎりで中央へ折り返す。

 ライナー性のクロスに反応したのは、1トップの谷口海斗だ。至近距離からヘディングシュートを決めた。ロメロ・フランクに代わって先発した星と、8節から鈴木孝司が不在の1トップに入る谷口が、揃って得点に関わった。昨シーズンのJ3得点王の谷口は、新潟加入後初ゴールとなった。

 ここからの新潟は、チームの成熟度を表現していく。追加点を奪える好機を逸しても、焦れることはないのだ。愛媛が選手交代をきっかけに攻撃のギアを上げても、GK阿部航斗が身体を投げ出すような場面はほとんどない。

 84分に途中出場のMF三戸舜介が2度目の警告で退場となり、新潟は数的不利に立たされる。それでも、88分に愛媛を突き放す。

 得点者は本間だ。千葉和彦のタテパスを左サイドで受けると、DFひとりをかわしてペナルティエリア内へ侵入する。落ち着いた右足シュートで、勝利を決定づけた。

 背番号10を着ける20歳は、1対2の局面でも慌てない。確実に剥がしてみせる。ドリブルのキレ味はズバ抜けており、J2のレベルを超えている印象だ。

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