J2「荒れる水曜ナイター」!(2)共に4連勝!!「破壊力」の磐田、「ハードワーク」の京都【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
ピーター・ウタカ(京都)   写真:西村尚己/アフロスポーツ
【前編に戻る】

■磐田と京都が4連勝で上位に!

 昇格候補が上昇気流をつかんでいる。ジュビロ磐田京都サンガF.C.が、揃って4連勝を飾ったのだ。

 磐田は大宮アルディージャを3対2で振り切った。ブラジル人FWルキアンが5試合連続ゴール、山田大記が5得点と、攻撃陣が結果を残している。遠藤保仁の離脱後に2シャドーの一角で先発している大津祐樹も、先制のヘッドを叩き込んだ。

 ここまで9試合で、クリーンシートは6節のファジアーノ岡山戦のみだ。失点15はリーグで4番目に多い。ディフェンスには課題を残す磐田だが、J2屈指のタレントを揃える攻撃力はやはり強みだ。順位も4位まであげてきた。

 京都は東京ヴェルディを2対0で退けた。開始8分にピーター・ウタカが自身8点目を奪い、後半開始直後の54分には宮吉拓実がシーズン初ゴールをマークした。

 ボールを保持する時間は、東京Vが長かった。それでも、「いまのサッカーはボールを持つときも持っていないときも、自分たちがいかに主導権を握る形へ持っていくかという時代」とチョウ・キジェ監督が話したように、試合運びに息苦しさを感じさせないのだ。最終的にはキッチリ勝点3を取り切った一戦である。

 3試合連続でゴールしているウタカは、フィニッシュの精度が抜群に高い。だからといって、彼に頼りきりではないのである。湘南ベルマーレでチョウ監督の薫陶を受け、加入1年目でキャプテンを任されている松田天馬が存在感を示しているのはもちろん、プロ2年目で19歳の川崎颯太浦和レッズから期限付き移籍中の荻原拓也、ヤングキャプテンなる役職を担う福岡慎平らも、試合を重ねるごとに自立してきている。チーム全体が攻守にハードワークし、一つひとつのプレーのクオリティを高めていくことで、京都は白星街道を走っているのだ。

 ところで、9節を終えた翌22日、モンテディオ山形石丸清隆監督の解任を発表した。

 就任1年目だった昨シーズンは、シーズン後半戦から調子をあげて7位でフィニッシュした。オフにはメンバーの入れ替えがあったものの、保有戦力のレベルが極端にダウンしたわけではなかった。

 しかし今シーズンは、9節を終えて1勝4分4敗で、自動降格圏内の20位に低迷していた。7節から主砲のヴィニシウス・アラウージョが欠場しているが、相手ゴールに迫るものの得点が奪えず、結果的に勝ち切れない試合が開幕から続いていたことが、解任につながったと考えられる。

 クラブは新監督を招へいする意向で、現時点では佐藤尽コーチが暫定的に指揮を執るとしている。監督交代は、愛媛FCに次いで2クラブ目だ。

  1. 1
  2. 2