■流れからのゴールも生まれた清水戦
開幕から懸案されていた“流れからのゴール”も前節に引き続き、清水戦でも生まれた。
浦和は、2月27日に行われたリーグ開幕戦・FC東京との試合から、3月27日のルヴァン杯第2節の柏レイソル戦までの公式戦8試合で、得点はわずかに3点だった。しかも、すべての得点がセットプレーによるものだった。
リカルド監督の就任以来、ボールを保持して攻撃を展開するサッカーへと舵を切り、キャンプ中から取り組んできたが、カップ戦の柏戦まではボール保持率は低くないものの、それに対してシュートにまで持ち込むことができずにいた。
しかし、前節の鹿島戦と今節の清水戦で一気に4得点を積み上げ、“流れからのゴール”も2試合連続で生まれた。その背景には、リカルド監督の選手たちへの意識づけがあったようだ。
前節の鹿島戦では、FW武藤雄樹を1トップに配置し、今シーズン初先発で起用した。また、2列目に4人を並べて、MF柴戸海が1ボランチを務めた。鹿島戦後の会見で、武藤は「1トップらしくない動きだったと思う。僕が降りたところを2列目の選手が飛び出すなど距離感を良くしようとみんなで話し合っていた」と、チームの狙いについて振り返った。
今節の清水戦でも、武藤はゼロトップのような動きを見せ、相手DFを引き付けた。その空いたスペースに2列目の選手が飛び出したり、中盤で連携してパスを回すなどして、浦和が試合の主導権を握った。さらに、アンカーの柴戸が、最終ラインと2列目をつなぎ、安定したビルドアップを見せた。