■およそ1万人の熱いサポート
そして、サポーターの後押しも、リカルド監督の誕生日を祝う大きな勝因になったはずだ。この日から、埼玉スタジアムでは1万人までの入場が許されることになった。鹿島戦でスタジアムに駆け付けたサポーターは、9975人。サポーターたちは、太鼓の音と大きな拍手でチームを鼓舞した。
スタジアムの座席は赤・白・黒のチームカラーで埋め尽され、さらにバックスタンド側の座席には「URAWA」という文字の大きなコレオグラフィが用意され、選手たちを迎えた。浦和ではこれを“ビジュアルサポート”と呼ぶ。選手たちを後押しするその演出は、過去に何度も話題となった。
これぞ、浦和のホーム戦――。そんな熱い雰囲気に後押しされるように、4試合ぶりの勝利をおさめた浦和。試合後、選手たちは、「最高の雰囲気を作ってくれて、後押しをしてくれた。サポーターの皆さんには感謝しかない」と、口をそろえる。
そして、誕生日を勝利で飾ったリカルド監督も、「すごく完璧な試合ができた。とても幸せに感じる」と選手たちの頑張りを称えるとともに、「(サポーターからの拍手や“ビジュアルサポート”は)すごく大切な部分であると思う。応援していただけるのは本当にありがたいです。入場できる人数も少しずつ増えるなか、今日は良い試合を見せることができた。これからもサポーターの皆さんに質の高い試合を見せたい」と、サポーターへの感謝とともに、今後の躍進を誓った。
試合後、鹿島のザーゴ監督に「就任以来、初めての悪い試合」と言わしめた浦和。長年にわたって、“名門クラブ”と称される両チーム。そんな積年のライバルとの戦いを制し、4試合ぶりの勝利をおさめたことは、浦和にとってここから上位勢に反撃するための大きな自信につながるはずだ。
ベテランと若手が、そして既存選手と新加入選手が、それぞれの特徴を活かしながら融合し、浦和はこれからますます進化を遂げるにちがいない。