■上積みできたのは勝ち点「1」

 スロースターターと言われる鹿島だが、昨季は最初のリーグ戦5試合で、1勝0分4敗。全試合で失点し、その合計は「10」。5得点。5試合終了時点で15位だった。6試合終了時点では、1勝0分5敗。昨季と比べると、勝ち点「1」だけ上積みできていることになるが、ザーゴ政権も2年目なのでかなり厳しい。

 昨年の序盤は、ザーゴ監督を招聘してチームをまったく新しく構築している状況だった。それもシーズンとともに実を結び始め、終盤にはACLの出場権争いに食い込むまでに至った。だからこそ、継続を打ち出して、選手をピンポイントで補強する道を選んだ。

 昨季に台頭した“有望株”の存在もあった。実際、この試合では多くの若手選手が出場。DF犬飼智也の出場停止もあって20歳のDF関川郁万がU24代表のDF町田浩樹とコンビを組んだ。右サイドバックにはルーキーDF常本佳吾がプロ初先発をつかんだ。さらに、MF荒木遼太郎(19)、GK沖悠哉(21)、FW上田綺世(22)と、すべてのポジションで東京五輪世代の選手が名を連ねた。

 しかし、この試合に限って言えば、若さが裏目に出たかもしれない。若手選手を中心にしたチームは試合途中での修正ができないまま、浦和に飲まれていったからだ。若い選手には、こうした経験も必要だ。だから、ザーゴ監督はあえて厳しい言葉を選んだ可能性もある。

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