■退場の優位性でゴールを奪ったものの…

「特に、前半はかなりフリーでえぐったり、抜け出すシーンがありました。攻め切るにしても慌ててしまったり、フリーで打ってもミートできなかったり、ちょっとしたところのていねいさ、大胆さというのがうまくいかなかった」

 鬼木達監督はこう振り返り、「自分たちの精度の部分だと思っています」と分析したが、選手の配置を変えながら運動量豊富に戦った鳥栖の守備に対して生じた少しのズレが、ゴール前での精度を欠かざる得なかったといえる。実際、いつもの川崎であればつなぐ場面でも、前線にクリアする場面が散見され、川崎としてはいつものペースを握りづらい90分間だった。

 57分に鳥栖DF田代雅也レアンドロ・ダミアンのチャンスをつぶしたとして退場。数的優位となった状態でゴールを奪ったとはいえ、それ以外で優位性をあまり感じさせなかったほどだ。

 それでも、新たな自身となる白星だ。実は川崎は直近3試合で鳥栖に勝利していない。昨季、圧倒的強さを見せながらも鳥栖には2戦2分。実は、2試合で1得点しか奪えていない。昨年の開幕戦では、等々力で19本のシュートを放ちながら、ゴールすることができなかった。

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