■復帰戦で先制点のきっかけとなる!
一方の、登里は4か月ぶりの公式戦出場となった。昨年12月19日のJ1最終節・柏戦の終盤に左鎖骨骨折を負い、チームを離脱。「全治2ヶ月半程度を要する見込」(公式発表)ということで、天皇杯への出場もかなわず、今季もここまで旗手怜央が左サイドバックで出場してきた。
その旗手は、従来の左サイドバック像にとらわれない自由なプレースタイルを作り上げ、今季ここまで2得点を挙げていた。この試合前に登里は、「自分にない攻撃的なところを見て、学ぶところもあった」とその旗手に刺激を受けたことを明かしており、「攻撃に出る回数を増やしたい」と復帰後のイメージを膨らませていた。
大分戦ではいきなり90分間フル出場して万全ぶりをアピールしたが、さらに、攻撃への姿勢も体現した。開始わずか6分で、大分GK高木駿も弾いて逃れるしかない強烈シュートを見舞った。これは、右サイドで家長昭博や脇坂らがつないでチャンスをうかがっている間に、登里がペナルティエリア手前まで上がっていたからこそのシュートだった。
そして、三笘薫が決めた39分の先制弾も、きっかけとなったフリーキックを得たのは登里だった。三笘と左サイドを崩そうとしたこの時間帯、その三笘が放った裏へのスルーパスに走り込む。登里はそのままペナルティエリアまで侵入するか、というところで相手選手が思わず倒してしまったのだ。