■ガンバ大阪はどう川崎を倒すのか
さらに、戦力的にも川崎は万全だ。
守備的MFの守田英正が海外移籍を選択し、レジェンド中村憲剛は引退した。だが、それ以外の昨年の主力は残留した。守田の後釜には、Jリーグで実績のあるジョアン・シミッチが入ったので、戦力の大幅ダウンはない。
しかも、川崎というチームの一つの特徴は、新しく入った選手が短期間でチームのやり方に馴染めるところだ。守田自身も入団して半年くらいで完全にチームに溶け込み、そのまま日本代表にまで駆け上がってきた選手だった。昨年も、新人の三笘薫は開幕直後からチームの中心的な役割を担っていた。その三笘や旗手玲央、田中碧といった若い選手たちの成長もあり、戦力的には川崎に穴は見つからない。
川崎が、もし2021年シーズンでも優勝すれば2度目の連覇。2017年からの5年間で4度目の優勝となり、森保一監督時代のサンフレッチェ広島(4年間で優勝3度)を超えることになる。
あとは、他のクラブが川崎対策にどこまで成功するかだ。
2月20日には富士ゼロックススーパーカップが開催され、G大阪が川崎に挑む。G大阪は、昨年のシーズンあのような大敗を喫しただけに、その屈辱を晴らす必要がある。戦術家としても知られる宮本恒靖監督がどのような川崎対策を打ってくるのかが注目だ。そこで、G大阪の川崎対策が功を奏するようなことがあれば、他のクラブの監督にとっての大きなヒントになるはず。
そうした意味で、今年の富士ゼロックススーパーカップは例年以上に注目したい。