■2試合勝利なしでも徳島優位は変わらず
まだ、決まらない。
またしても、結末は次節に持ち越された。
12月13日に行なわれたJ2リーグ第40節で、首位の徳島ヴォルティスはジェフユナイテッド千葉と引分けた。ホームで0対0に終わった。
試合展開は予想どおりだっただろう。ユン・ジョンファン監督が率いる千葉は、ディフェンスを重視した戦いを志向する。撃ち合いは望まない。徳島がボールを握り、千葉がしのいでいくなかで、ゴールの予感は漂ってこないのだ。公式記録上ではわずか2本のシュートに終わった。
水戸ホーリーホックに0対1で敗れた前節に続いて、徳島は勝利を逃した。0対0のスコアレスドローは今シーズン3度目で、2試合連続で白星を逃すのは26、27節以来およそ2か月ぶりである。プレッシャーや重圧が忍び寄っているとも映るが、状況はなお徳島に有利だ。
【40節終了時点の上位3チームの勝点】
徳島:勝点81、得失点差34
福岡:勝点78、得失点差19
長崎:勝点76、得失点差25
徳島は3位のV・ファーレン長崎に勝点5差をつけており、次節で勝利を飾れば自力で2位以内が確定し、J1昇格が決まる。引分けに終わったとしても、長崎の結果次第で2位以内を確保できる。
J1昇格に必要な勝点はあと「1」と考えることもできる。徳島が残り2試合を1分1敗で終えると勝点は「82」で、3位の長崎が連勝したら同勝点になる。ここでモノをいうのが得失点差だ。現時点で「9」のアドバンテージは大きい。
得失点差で並ばれることがあっても、次に順位決定の判断材料となる当該チーム間の対戦成績は、徳島のシーズンダブル(2勝)となっている。J2優勝はともかくJ1昇格について、徳島は依然として優位な立場にある言えるのだ。
千葉戦を終えたリカルド・ロドリゲス監督は、「1点取れていればすべては変わっていたが、そう簡単にはさせてくれない。いままでやってきたことを続けて、次の試合で勝ちをものにして昇格をつかみたい」と話した。
ホームで戦った徳島にとっては、「悔しい引分け」だっただろう。ただ、「致命的な痛みを伴う引分け」ではなかったのだ。