2020年11月13日にオーストリア・グラーツで行われたテストマッチ、日本代表対パナマ代表の一戦。10月に行われたカメルーン戦とコートジボワール戦につづき、日本代表は欧州組だけで臨んだ一戦となった。
結果は、南野拓実が獲得したPKを決めて日本代表が1-0で勝利。この試合に秘められた意図はなんだったのか。そして、11月18日のメキシコ戦の位置づけとは……。サッカージャーナリストの大住良之、後藤健生の2人が試合直後、深夜2時10分から戦わせた「激論」は、日本代表の現在、過去、未来について縦横無尽に広がってゆくーー。
日本代表 パナマ戦出場メンバー
●GK
12 権田修一 ポルティモネンセSC(POR)
●DF
22 吉田麻也 サンプドリア(ITA)
3 室屋成 ハノーファー96(GER)
20 板倉滉 FCフローニンゲン(NED)
2 植田直通 セルクル・ブルージュKSV(BEL)
●MF
7 柴崎岳 CDレガネス(ESP)
13 橋本拳人 FCロストフ(RUS)
25 三好康児 ロイヤル・アントワープFC(BEL)
●FW
10 南野拓実 リバプールFC(ENG)
●交代選手
46分 橋本→ 6 遠藤航 VfBシュツットガルト (GER)
58分 長友→ 8 原口元気 ハノーファー96(GER)
71分 久保→ 9 鎌田大地 アイントラハト・フランクフルト(GER)
72分 南野→ 18 浅野拓磨 FKパルチザン・ベオグラード(SRB)
82分 柴崎→ 4 中山雄太 PECズヴォレ(NED)
82分 室屋→ 19 酒井宏樹 オリンピック・マルセイユ(FRA)
―まずは今日のゲーム、どう評価されますか?
大住「ズバリ言えるのは、遠藤はすごい。ね?後藤さん」
後藤「遠藤はスーパーだった、それに尽きるね」
大住「ひとりであれだけ変えちゃう」
後藤「本当にガラッと変わったもんね」
大住「ボールを受けて捌いて、また、自分で取って捌いて、それが的確に効くから、まったく試合が変わったよね」
後藤「そう。良いポジションをとってパスを引き出して、バタバタ動かずに落ち着いて受けて、的確なパスを散らしていた。もう言うことないよね。若い時から遠藤を見ていて、良いと言われてきたけど、ようやくここまで来たかという感じもあるしね。湘南にいたころから、いいねいいねとずっと言われてきて、浦和に行ってからは、いいねと言われながら、もう少しああいう風に使えば、とか色んなことを言いながら見ていたじゃないですか?」
大住「だけどまあ、ちょっと足が遅いなとかね(笑)」
後藤「そうそう。なにも足が速くなくても、良いポジションを取れれば何も問題ないよ」
大住「今日は本当に、日本代表が前半から目立っていたのは、パスが不正確で、ブレブレのパスが多かったんだよね。それを遠藤がきちっと足元の受けやすいところ、次のプレーに行きやすいところにパスを出しているから、それで試合がガラッと変わった」
後藤「そこが変わると、他の選手のパスも途端に変わったもんね」