■「ひとつズレたら、あっちもズレ、こっちもズレ」
―あそこまで劇的に変わったのはなぜですか?
後藤「だから、受けるときに良い形で受けることができれば、次に出す時も出しやすい。その連鎖が起こるわけでしょ。ひとつズレたら、あっちもズレ、こっちもズレ。ひとたびズレると、パスを回すたびに悪くなっていくようなところがあるからね」
大住「特に前半の三好なんか見ていると、持ち出すとか、かわすところは良いんだけど、その後のパスが50センチとか1メートルとかズレたり、タイミングが遅くなっちゃったりするんだよね。それで取られてカウンターを食らうような形になっていたから。やっぱり遠藤のところでしっかりと収まって、次のプレーを生むようなパスへとなってきたから、やりやすいよね。すると、どんどんと繋がっていく」
後藤「良い形でパスを受けることができれば、慌てないで正確にパスを出せる技術は皆持っているわけだけど。変なパスをもらっちゃうと、そこで慌ててコントロールできなかったり、あるいは余裕なくて悪いパスを出して、そこで取られちゃう。その繰り返しになっちゃうからね」
―遠藤は非常にシンプルに、複雑なことをせずにサッカーをしていましたね。
大住「前半はそのシンプルなことができなかったからね。横へ出すとか後ろへ出すとか。そんなのばかりだったよね」
後藤「誰か落ち着かせるところがなかったもんね。ここに入れば落ち着くというところがあれば、今日だったら遠藤だけど、そういうのがあればそこを使えば良いんだけど、そういうポジションの選手が誰もいなかった。トップが収めるわけでもないし、柴崎がきちっとボールを持つわけでもなし。どこに預けても慌てるプレーになっちゃったね」
大住「全体にお互いの距離が遠かったよね? ひとつ目立ったのは、久保と三好が、シャドーなのか外に開いたフォワードなのかという点が、非常に中途半端だったような感じがした。例えば状況に応じて、右から攻めるときは左の選手が南野と近いところでプレーする、というような形になれば良かったんだけど。
監督はシャドーと言っていたけど、シャドーではなかった感じはしたね。前半は特に」
後藤「トップがいなくなっちゃうからね。南野はすぐ下がるから、それもシャドーの2人はやりにくいよね」
大住「やっぱり3バックの形は普段は練習もあまりやっていないわけだから、しょうがないという事もあるし。慣れないメンバーという事もあるんだけど、それにしても前半はあんまり……ひどかったよね」